500文字の鵲ショートショート

毎日500文字のショートショートを記します。

女の子の運命。

人類誕生からだいぶ時代が過ぎてきたが未だ新聞の紙面に載り続けるのは、殺された女の子や女性の事件だ。永遠に克服出来ないことなのか。真弓は記者としてある事件の被害者家族を取材する。犯罪者は周到に計画して被害者を狙っていた。真弓は取材をしながら体調を崩すようになる。どうにも眠れず、眠れば悪夢でうなされる。ある朝、目覚めると見知らぬ女子高生がベッドの脇に立っている。真弓が動けずいると「ここに来て欲しいんです」と女の子は礼儀正しく真弓に話しかけ1枚の地図を渡し出て行った。地図はだいぶ古い時代のものだ。真弓はネットで見当をつけ取材に出かける。其処は工事現場となって掘削されている所だった。工事の人に真弓は地図を見せ話をする。関東ローム層がむき出しの、深い穴が真弓の前に掘られていた。確かに地図の場所だったが、何も掴めなかった。しかし5日後にその場所は新聞に載る。11人の大人たちが意識不明の状態で発見されたからだ。この事故或いは事件は謎が謎を呼んだ。発見された人たちが一様に皆口をつぐんだためだった。真弓もこの件を取材したが、あの女子高生との関連は分からないままだった。それから彼女は真弓の前に現れなかった。